革職人の手記

コードバンのラウンドファスナー長財布

Doublemoon星野です。

このところ特注続きでうれしい限りです。
オーダーいただいておりましたコードバンのラウンドファスナー長財布が完成しました。

コードバンラウンドファスナー長財布

今回はご夫婦でご使用とのことで2つ少し形を変えてご発注いただきました。

コードバン・・、馬のお尻の部分を表面を削り取ることで現われるとても美しい革です。
世界でも2か所のタンナー(革をなめす業者)でしか作れない特別な革です。

表面の何とも言えない美しさとともに、ギン面を薄く削り取っているため、曲げてもシワになりづらい性質をもち、小物に最適な素材です。

しかしながら、稀少な革で発注しても4~5か月待ちと言われる革でもあります。

しかも今回購入した革は、長財布が丁度2つとれるサイズ。

コードバン

失敗できないだけに、切り出しから緊張しました。

まず内装、こちらはいつもの栃木レザーを使いました。
外周と、内装です。

内装

内装

そして外側のファスナー。通常より厚みのあるラウンドファスナー長財布をご希望でしたので、少し幅広のファスナーを特注して取り寄せました。ファスナーはYKKの中でも最高級のエクセラファスナーです。
このブログでもたびたび登場しておりますが、ムシ一つ一つを磨き上げられているファスナーでとてもすべりがよく、ヘタリ難いファスナーです。

エクセラファスナー

ラウンドファスナー長財布は、木型を作って木型に沿うようにファスナーを取り付けるのですが、厚みが変わると当然木型も作り直す必要があります。

今回は既存の木型を補強して厚みを調整しました。

木型

無事木型に収まったところで、外側にコードバンを取り付け完成です。
コードバンは、傷つきやすいため制作途中傷がつかないよう細心の注意を払いました。
外周を縫い進める際も、縫い穴が大きすぎると穴の周りが白っぽく変色するため、最小限の穴に針を通し縫い進めることとなりました。

こうして2つ完成したわけですが、それぞれ特徴があります。

まず、内装が黒のバージョンは・・・。
金のファスナーが黒にとてもマッチしております。ポケット付の仕切りを1つ追加したことで、ファスナーを開けるとガバっと90度近く設計です。

黒内装

内装が赤のバージョンは、ポケットなしの仕切りを用い、代わりにマチ付きの小銭入れを取り付けました。こちらもガバっと開きます。

赤内装

そして、外側にオープンポケットを追加しました。

こうして無事完成し、昨日納品させていただきました。

 

コードバンラウンドファスナー財布

コードバンラウンドファスナー財布

 
今回も大阪アートアンド手作りバザールに出品します。

時期は3月7日、8日です。
多数の財布をご用意しております。

春の時期に買う「春財布」は、(お金をパンパンに)張る財布とも言われ、縁起がいいといわれています。

定番商品の他に新作も用意する予定です。

是非遊びに来てください。

 

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展示会のお知らせ

大阪で展示会を行います。
■「アート&てづくりバザールvol.18」

日時 2015年3月7日(土)・8日(日) 10:00~17:00

会場 大阪南港・ATCホール(大阪市住之江区南港北2-1-10)

http://www.tv-osaka.co.jp/event/makingbazaar/

 

 

 


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