革職人の手記

新しい革は、是非多くの方に見てもらいたい革です。

DOUBLEMOON星野です。
先日、タンナー(革製造会社)見学に行ってきました。
坂本商店様です。
姫路にある親子3人で経営されているタンナーです。
黒桟革という革の表面に漆を塗りこんだ唯一無二の革を作られています。
この革の歴史は古く、戦国時代の甲冑の一部に使われていたり、現代では剣道の防具に使われています。
当然堅牢性は十分です。漆というと硬いイメージがあるのですが、革にシボ(シワ)をつけ、その頂点にだけ漆を塗ることで、曲げても割れないつくりを実現しています。
そのため柔軟性がありながらも、漆部分は非常に強いつくりになっています。
工場は、アトリエ部分・染め工場・なめし工場に分かれていました。
アトリエ部分には、甲冑や鞄、革がズラリと並べられており、圧巻でした。
特にこの革は直接見て触るのと、ネットで見るのでは全く異なります。光の微妙な反射や、もっちりとした手触りなどは、抜群の上品さを漂わせていました。
で染工場は・・・

通常と異なり、漆を乾かす特別な部屋があります。
湿度、温度管理されており、1回塗るごとに48時間乾かす、という作業を何度も繰り返して堅牢性、柔軟性を確保していくそうです。
そのため、1月で数十枚しか作ることができないそうです。

最後に見せてもらったのが、なめし工場
大きな樽状の機械に革、なめし剤を入れて、グルグルと樽を回転させてなめし剤をなじませていきます。
これらの多くの過程を経て作られるのです。

昨日、注文していた「黒桟革」が届きました!
シボ一つ一つが輝いているのがお判りでしょうか?
実物をみるとほかに見たことのないような雰囲気を醸し出しています。
是非見ていただきたく思います。

この革を見られるイベントの予定は、
3/18-24 三田阪急 となっています。ぜひお越しくくださいませ。

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