革職人の手記

丈夫なコバのこだわり・・・

Doublemoon星野です。

皆さまゴールデンウィークいかがお過ごしでしたでしょうか?
少しのんびりしつつ、制作に励んでいました。

こだわりのコバ処理

今日は、こだわりのコバ処理について少しだけ紹介します。

コバ、つまり革の端っこのことです。一般的に多いのはへり返しといって、革を薄く漉いて、折り返すという方法。

ウチでは、コバを削り染料で仕上げています。



まずは、カンナでコバを削ります。コバ処理にもいろいろな方法がありますが、極力ダメージを受けないようにするため、曲線になるように仕上げます。
つまりコバが丸くなるよう仕上げるのです。

そのため、カンナで角度を決めて何度か削るわけです。

そうして大体の形が整ったら、ヤスリで磨きます。

そのあとは、コバ液で表面をさらに整えて、帆布で磨きます。さらに細かいヤスリで磨きをかけます。

このころには、手で触ってもツルツルな状態になります。

そのあと染料を塗り、仕上げにロウを塗り込みます。



こうして磨き上げたコバは、色が落ちにくく、万一色落ちしても、きれいな布で全体をこすると周りのロウが溶け出して色落ちした部分をコーティングするのでコバが非常に長持ちします。


こうして完成したのがこのパスケースです。



シンプルな形だからこそ、細かい点に気を配って作っています。





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