革職人の手記

ラウンド長財布_赤!

久しぶりの更新です。

今回は、少し前にオーダーいただいていたラウンド長財布を2つと新しいデザインのラウンド長財布、合計3つ、怒涛のように製作しておりました。

ダブルムーンの革小物は、原則裏地を付けるか、床を毛羽立たないよう特殊な処理を行います。

まず切り出したままの革の床面(裏面)はこんな感じです。このままだと、使っていくうちにだんだん毛羽立ってくる場合があります。

そこで、特殊なノリを薄く床面に塗りつけます。そして、ガラスを用いて、ひたすらこすります。すると・・・。

こんな風に、床面がツルツルになります。

え・・、よく見えない?じゃ、拡大します。

どうです。ピカピカでしょう。

こうすると、ずっと毛羽立つことなく、永い間使うことができます。

で、ファスナーを切り出して小銭入れを創ります。

3つ同時に作っているので、3つあります。これを、革に取り付けて、小銭入れを作っていきます。

ちなみに小銭入れの中は、豚革を貼っています。この部分は、小銭がジャラジャラするので、床処理だと、毛羽立たないですが、小銭で黒くなってしまいます。そこで、摩擦に強く、汚れも目立たない、黒色の豚革を貼るわけです。

また、豚革がクッションの役割を果たして、小銭のジャラジャラする音を軽減してくれるようにも思えます(ここはあくまで私が使ってみての意見です。)

で、、、カードケースです。

これで、1つ分なので、同じものをあと2組作ったわけです。

結局、本日の段階では1つ完成して力尽きました。

それがこちらです!

赤いでしょ!この革、染めたのです。普段はあまり染めをしないのですが、赤色を希望されていたので、今回は染めてみました。

ちょっと朱色になりましたが、ムラなく美しい染まり具合です。ヌメ革(フルベジタブルタンニン)に染めているので、この状態でも、経年変化が楽しめると思います。

さらに今回は、ファスナーにも一工夫。

そのままの、ファスナーの持ち手では、味気なかったので、付け替えてみました。

一気に雰囲気まで変わり、ファスナーも引きやすくなっています。

末永くお使いくださいませ~。

*実は、このオーダーは家族(嫁)のオーダーでした(笑)。

 

=========================================

展示会のお知らせ

今度は、大阪で展示会を行います。

■「OSAKA アート&てづくりバザール」 日時 2013年9月28日(土)・29日(日) 10:00~17:00

会場 大阪南港・ATCホール(大阪市住之江区南港北2-1-10)

http://www.tv-osaka.co.jp/event/makingbazaar/

前売り券も発売しているようです。

 

開催まであと54日です!


関連記事