革職人の手記

栃木レザー使用、名刺が折れない風琴(フウキン)マチ名刺入れ

展示会用の風琴(フウキン)マチ名刺入れを作成しました!

風琴マチ名刺入れ

風琴(フウキン)マチは、日本独自の製法で作られた少し変わったマチの名刺入れです。 通常のマチは、マチが内側に曲がるため名刺が引っ掛かり折れる場合があります。 風琴マチは、マチが外側を向いているため名刺が引っ掛かることもなくしかも枚数が 少ない場合は薄く、枚数が増えるとマチが広がり、30枚程度は余裕をもって収納できます。

風琴マチ

 

今までもこの風琴マチの名刺入れは作成してきましたが、今回大きな変更点として・・・

1、革を変更しました

2、革の中央をプックリと膨らませました

まず、革の変更です。今回外側の革に使用したのは、栃木レザーです。 高級革といえば、イタリア産の革があげられますが、個人的にはそれにも勝るとも 劣らないと思っているのがこの栃木レザーです。

この革は、北米より仕入れた皮革の中から、特に状態の良い上位30%程度を使用 しています。 その皮革をピット槽といわれる植物タンニンのプールに漬け込み、4か月程度かけて 制作するそうです。

革の表面は、透き通るように鮮やかな発色で、芯通し(革の内側までしっかり染まっている)の革です。

しかもタンニンなめし革(いわゆるヌメ革)なので、時間がたつにつれて、より深い色へ の経年変化も期待できます。

そして、今回作成にこだわったのが、プックリと膨らんだ本体です。

プックリ膨らんだ表革

写真では少しわかりにくいですが、糸目を挟んで、内側がプックリ膨らんでいるのが お判りでしょうか?

これは、外側の革の裏に一回り小さい革を芯材として貼り付け、段差をつけております。 これにより、抜群の高級感を引き出すとともに、プックリ膨らんだ段差の下に、糸目が 入り込むため、仕様の際の摩擦による糸切れを防ぐことができます。

そして、コバにもこだわっております。特にフタ部分はコバ全体が丸くなるように 仕上げておりますので、持った時に、指の腹にフィットするような設計にしております。

磨き上げたコバ

今回は青・黒のコンビネーション、黒・キャメルのコンビネーション、赤・黒のコンビネーションと

3種類作成しております。

風琴マチ名刺入れ青

風琴マチ名刺入れ黒

風琴マチ名刺入れ赤

3月の大阪で行う展示会で出品します。ご来場お待ちしております。   ========================================   OSAKAアート&てづくりバザールVol.15   日時: 2014年3月21日(金)・22日(土)・23日(日)    10:00~17:00   場所: 大阪南港ATCホール     (大阪市住之江区南港北2-1-10)   http://www.tv-osaka.co.jp/event/makingbazaar/

 


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