革職人の手記

柿渋染めネクサス7(タブレット)用カバー&手帳カバー

12月14日・15日と2日間、大阪のATCホールでアート&手作りバザールに出店してきました。 おかげさまで盛況のうちに終了しました。

今回で3度目ですが、いつも出店すると「木みたい」「きれい」といったお褒めの言葉をいただく一方、商品が高額のためか なかなか手が出しづらいような雰囲気が感じられます。

ただ、今回は非常に多くの方に興味を持っていただき、用意していたフライヤーも多くを持って行っていただけました。 またお買い上げいただいた方ともいろいろな話をすることができました。「柿渋革」や「ブライドルレザー」といった当工房の 特徴といえる革の特性や性質、一点一点手縫いをしている思いなどホームページだけでは説明しきれないような話もさせて いただけました。

今後ホームページやブログでも作った作品だけでなく、少しでもこんな内容を掲載していこうと思います。。。

さて、展示会が終了し頂いていたオーダーを昨日一気に仕上げました。

来年のスケジュール帳のカバーとネクサス7(タブレット)のカバーです。

実は、スケジュール帳カバーは少し前に完成しておりましたが、展示会の準備に紛れてブログに掲載できずにおりました。 ここで改めて掲載させていただきます。

いつも使っている革は、厚さがあるためこのままに使うと非常に厚ぼったく曲がりにくいカバーになってしまいます。 そこでまず、革を専門の機械で薄く漉(す)きます。

これは、漉き機といって、回転する刃で革を削る機械です。 こうして革全体の厚みを削っていきます。

その後、カバーの成形し、縫っていくわけです。

ちなみに手縫いで行う場合は、上記のような機器(菱目打ち)であらかじめ革に穴をあけ、その穴に糸を通すことで縫い合わせます。 手縫いで縫い目がきれいになるかどうかは、菱目打ちの打ち方や、糸を通す際の力の入れ加減によって決まります。 そのため、穴をあける際は、常に直線がずれないかどうか、穴の大きさに違いがないかなど注意を射ております。 たとえば、直角に曲がる角部分は、菱目を打つのではなく、錐(キリ)で穴をあけることで縫い目が美しくなるようにします。

このようなことを行いながら、縫い合わせていき・・・

ノートカバーが完成するわけです。

次に、昨日完成したばかりのネクサス7カバーの紹介です。

こちらは、柿渋革をベースに作っておりますが、中央でひっくり返し2つに折れるようにしてほしいとの御要望でした。 そこで、今回は、ひっくり返す部分はカーフ(仔牛の革)を用いることにしました。

カーフは生後6か月以内の仔牛の革であるため、非常にキメが細かく手触りがよいのですが、なにより折り曲げにも柔軟に対応 できます。

そこで、ネクサス7のガラス面が当たる部分もカーフで作成することにしました。 そうしてできたのが、ツートンカラーのネクサス7カバーです。

デザインやサイズの指定をいただいておりましたのでスムーズに制作することができました。 ただ、いただいたサイズだけだと本当にカバーとしての役割を果たせるかどうか疑問でしたので、革をネクサス7のサイズに 切り出し厚さもそろえて、しっかり収まるかテストをしました。

こうして無事サイズの確認も終わり、完成しました。 本日発送しましたので、もうしばらくお待ちくださいませ。


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