革職人の手記

丈夫なIDカードケース

IDカードケースの発注をいただきました。

昨年も発注いただいたのですが、新卒の新入社員用に今年は18個ご依頼いただきました。

社員証を入れるためのIDカードケースですが、ストラップを本体にくるくるまく方が多く、金具部分から本体の一部が裂け、修理することが何度かありました。

そこで今回は、金具部分から本体から裂けにくい作りにしました。

見た目にはわかりにくいですが、金具周りに革をまいております。

また、このIDカードケースでは、イタリアトスカーナ州にあるテンペスティ社のエルバマットという革を使用しております。

繊維までしっかりとオイルが入っているので手触りがとてもしっとりしており、また少々の傷であれば擦れば消えてしまいます。

また、ベジタブルタンニンでじっくり時間をかけて鞣した(なめした)革なので、経年年化も楽しめます。

さらにオイルが入っているので、切り口(コバ)がとても美しく、切りっぱなしでもとても美しく仕上がります。

このコバ部分をさらに、ヘリ(角)を落とし、さらにヤスリで表面を整え、染料、蜜ロウを塗りこみ、表面を整えること数回、

以下のようにつるつるな状態に仕上げます。

今回もすっきりした仕上がりになりました。お待たせしました!!

 


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