革職人の手記

ご発注いただいていた長財布が完成しました

東急ハンズでの出品も無事終了しました。 ご来店いただきました方、ありがとうございます。

同時に、多くの方からご発注いただき、現在制作しております。 その中の一つ、長財布が完成しましたのでお知らせいたします。

長財布制作について少しお話させていただきます。 ダブルムーンでは特に長持ちするように、見えない部分にもこだわっております。

まず下準備として、革の床面(裏側)を専用の溶液を用いて、磨き上げ毛羽立ちを抑えます。

次にコバ(革の端の部分)を磨きます。コバを水で濡らし、専門の道具で磨き上げその後、ヤスリで表面を整え、染料を塗りこみます。

更に、専門の道具で磨き上げ、熱して溶かした蜜蝋を薄く塗ります。この工程をコバがつるつるになるまで繰り返します。

するとこんな感じになります。

下がコバ処理をした後です。う~ん。写真ではわかりにくいかもしれませんが、これを行うことで、見た目の美しさとともに、コバ面を丈夫にすることができます。

ここまででようやく下準備が終了です。

この後は、組立、縫い合わせを繰り返します。

これに、小銭入れを取り付けると完成です。

実際は塗った後も、コバ処理を繰り返し行い、これもつるつるになるまで磨き上げます。

一つ一つ手作りすると、こういったところに時間をかけることができます。使用上にはあまり気にならない部分かもしれませんが、

永く使うとコバの部分から避けてきたり、塗料が剥げてきたりします。これを防ぐため、ダブルムーンでは、時間をかけてコバの処理を

行っております。

お届けした際は、ぜひコバもご覧になってください。


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