革職人の手記

柿渋革についての事件とお知らせ

Doublemoon星野です。

ずいぶん久しぶりの更新になります。
なんと1か月以上空いてしまいました。
この間、発注いただいた商品や展示会の商品を制作しておりました。

もうひとつ、大きな作業していました。

それは・・・、柿渋染色です!

そもそも、当工房で扱っていた柿渋革の販売が終了することになったことがきっかけです。

姫路のタンナー(簡単に言うと革をなめす業者さんです)さんが制作していた革ですが、
近年中国などの皮革製品ブームにより厚みのある革が入手しづらくなり、販売を終了することになったようです。
実はこの話は、1年以上前に知らされており、Doublemoonではこれまで在庫を使って販売してきました。

ところがいよいよ柿渋革の在庫もわずかとなっております。

もちろん終売が分かって以来、柿渋革を取り扱っている業者を探し回りまわると
同時に手染めによる染色も進めておりました。

結局新しい業者さんはみつからず、手染め染色で制作を行うこととしました。

柿渋液は通常の染料よりも粒子が大きく、革に浸透しづらく、革の表面にとどまり固まる性質があります。

しかも、柿渋自体 酸化によって発色し、同時に太陽にあてることで、促進する性質があります。
つまり、柿渋を塗っては太陽光で発色、これを何度も繰り返す必要がありました。

柿渋液を何度も塗ると、革表面に残った柿渋が硬化し、そこから割れる・・・、かといって塗る回数を減らすと思った発色にならない、、、

革を変えたり、柿渋液の種類を変えたり、濃度を変えたり、太陽光へさらす時間を変えたり・・・

様々なことを試しました。

今回ようやく2種類の革で納得がいく柿渋染が完成しました。

柿渋
どうせ手染めで制作するのであればこれまで使っていた革より良いものを、と考えてたどり着いた自信作です。

1つは とにかく丈夫な革 で制作したもの
もう1つは とにかく銀面(表面)のきれいな革 で制作したもの

詳細は後々説明させていただきます。
近々この革を使った商品もホームページ掲載予定ですが、今週末のアートアンド手作りバザールで先行販売します。

新しい革の手触りなど手に触れて感じてください。
今回の展示会、アートアンド手作りバザールは1000人以上の作家が集まる大イベントです。
そのチラシに、Doublemoonの商品写真が載っております。

チラシ

うれしい~♪

そのこともあって、気合を入れて商品を制作しております。
出店場所は「う-14」です

詳細は以下でご確認くださいませ。

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■「アート&てづくりバザールvol.16」

日時 2014年9月13日(土)・14日(日)・15日(祝) 10:00~17:00

会場 大阪南港・ATCホール(大阪市住之江区南港北2-1-10)

http://www.tv-osaka.co.jp/event/makingbazaar/

 

 


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